この春、斑尾高原のマンションを取材に行った際、山の奥に
通じる細い道を見つけた。

うねうねとカーブが続くが、舗装はされている。
この先にどんな集落が?好奇心から、車を乗り入れた。

残雪に咲く花に感激したり、
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雪解け後の棚田の風景に見入ったり、
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しばらくは秘境に入ったかのようなワクワク感もあったのだけど、
やがて姿を現したのは廃屋となった民家の数々。
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左:自然に崩壊?右:屋根は新しそうなのに、よく見ると…。
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まさか、村じまい(廃村)?


ほかの集落への道案内は出ており、立ち寄り温泉には車も数台とまって
いたから、住むひとがいないわけではなさそうだが…。
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先月、4カ月ぶりに足を運んでみた。
風景は前と変わらず、温泉も営業中のようだ。
シビルミニマムだろうか、集落に通じる道路は、あちこちで雪崩れ
防止柵の大掛かりな工事中だった。

まもなく稲刈りを迎えるものと放置され荒廃したものが対照をみせる
初秋の棚田。
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以前、集落に住んでいたひとが、春から秋にかけて自分の田畑を
耕しに通っているのだろうか?


それはともかく、山の様子が何だかおかしい。
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大きく怪物じみた草むらは何だろうか?

怪物の正体はつる性の植物だった。木立を覆いつくさんばかりの
勢いで、びっしりと白い花を咲かせている。眺めているうち、ふいに
ある植物を思い出した。
その名はアレチウリ。いつかニュースでやっていたっけ!
帰ってから調べると、やはり間違いなかった。
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アレチウリ↓↓↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%AA
葛(くず)も負けじと生い茂り、紫の花を咲かせていた。アメリカでは、
農地のグラウンドカバーとして日本から取り寄せた葛が爆発的に増え、
グリーンモンスターと呼ばれるようになったとか。
でも、ここではアレチウリが葛を凌駕しているようにみえた。

侵略的外来植物であるアレチウリ。長野県では7月の最終日曜日を
「アレチウリ駆除全県統一行動日」に設定しているほど。

ひとつの集落に営々と築かれてきた伝統が消滅する村じまいには
哀れを感じるが、ひとの手の入らなくなった山がアレチウリによって
寝食されていくさまを目の当たりにし、戦慄を覚えた。